リーマンショック以降、外資系金融業界の外国人サラリーマンを筆頭に、富裕層の外国人労働者が続々故郷に帰国しているという。そのため、彼らに人気が高く会社契約で入居していた西麻布や広尾、松濤、青山など都心の高級住宅に空き部屋が目立っている。空前の空き部屋ラッシュに、マンションオーナーも家賃値下げで対応せざるを得ない状況だ。
渋谷区の大手不動産関係者は家賃を安くした事情を次のように明かす。「20万円の家賃が今月に入って12万円台まで下がった渋谷区の築浅物件があります。高額の家賃がネックで、なかなか決まらなかったので、家賃を下げて対応したのです」
松濤の高級賃貸物件に5年住んでいるIT企業経営者(男性?37歳)は急激な値下げに驚いたという。
「リーマンショックを境に近隣に住んでいた外国人たちが続々故郷に帰ってしまっているようです。去年、私も不動産屋さんにそろそろ退去したいとお話したのですが、次の借り手が見つからないことを危惧して、オーナーさんが70万円の家賃を50万円まで下げてくれまして。20万円も下がったので、今のところに住み続けていますよ。松濤ではまったく部屋が埋まってない新築マンションもあるくらいですから、空き部屋にしておくよりは家賃を下げたほうが得策ってことでしょうね」
他には西麻布では家賃30万円ほどのマンションが20万円にまで下がった例もあったという。このように、家賃が数万円、はたまた10万円単位で下がるというのも今のご時世ならではの話である。
恵比寿、広尾界隈の物件を数多く取り扱う別の不動産会社は次のように話す。
「以前ならすぐに埋まっていたような人気物件が数か月決まらないなんてこともよくあります。今の賃貸マンションは完全に買い手市場ですから、家賃は下がらずとも礼金2の物件が交渉次第では礼金1になったりなども期待できます。引っ越しシーズンも大詰めですし、物件探しは今が狙い目ですよ」
ただし、米金融機関の業績が回復傾向のようなので、今の状況がそう長く続くとも思えない。六本木ヒルズにも外資系企業が新たに入居しだしているため、その近辺に住居を構える人も1?2年前よりは増加傾向。家賃の値下げ合戦もそろそろ歯止めがかかりそうだ。
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(石坂 美由紀)
引用元:フリフオンライン(Flyff) 専門情報サイト
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